ふぇるまぁた文庫

喫茶店という自由な空間に、家族の会のみなさんが大切に貯蔵されてきた本を置くことができたら、いろいろなお客さんに認知症に関する本はもちろんのこと、会のこと(支部の存在)も知ってもらえる機会になるだろうなとずっと思っていました。本部から助成の話しがあることをお聞きしたとき、叶うかどうかは別にして「家族の会の本棚を作ること」を提案させてもらいました。そうしたところ、世話人さんたちがそれはおもしろそうだね、やってみる価値があるね、と言ってくださり、この6月に「おしゃべりcafeめてみみ」内に家族の会の本棚を取り付けることができました。せっかくなので本棚に名前をつけた方がいいねということになり、会報でもお馴染みの「ふぇるまぁた」をいただいて「ふぇるまぁた文庫」に決まりました。手づくりの本棚にとってもしっくりくる名前です。さらにせっかくなので知り合いの大工さんに手づくりの看板もこしらえてもらったのですが、そのストーリーがとっても素敵なんです。ある古民家を終う時に、その家屋から古いひな人形とひな壇が出てきたらしく、長い年月をかけて受け継がれてきたそのひな壇の板を使って、今回の文庫の看板をこしらえてくれたというのです。家族の会もひな壇も、人から人へ大切に継承されてきたもの、そしてこれからもそうあり続けるもの。目的は違えど根底にある心は同じなのではないかと、そのストーリーを聞いて感動してしまいました。たかが看板、されど看板。そこまで思いを汲んで製作してくれた大工さんにも感謝ですし、その思いに応えるべくこの文庫が広くたくさんの人たちに愛されるものになるといいなと心から思いました。会員のみなさまもそうでない方々も、ぜひ、ふぇるまぁた文庫を一緒に育てていってもらえればと思います。