令和3年8月の出来事
施設入所中の母と、コロナ禍で1年8ケ月間会えず、面会はリモート面会。リモート面会は、パソコンの小さな画面で顔を見ながら会話ができます。しかし、認知症の母は、何故テレビに私が写っているのか全く理解が出来ず、会話になりません。施設の方が通訳してくださり、私の顔を見るよりは、施設の担当者の顔を見て一言二言。もどかしく、寂しく、顔のしわばかりが気になるそんな面会です。
ところが、施設の方から「微熱が続いてます。病院に受診されますか?」と電話がありました。熱発は以前の既往歴から膀胱炎によるものでは?と予想しましたが、わかりません。受診する方向で施設の方にお願いしました。この時期ですから、私は病院の受付で説明し、発熱外来の予約をし、施設の方が搬送してくださる母を待ちました。
発熱外来は職員が一人で対応されており、母が病院に着いても車中で施設職員の方と待機。やっと順番がきて、ここで施設職員は帰っていただき、私が母の側で付き添い、ドームへ搬送です。ここでは防護服に身を固めた看護師が咽頭ぬぐい液を採取し、結果がでるまで約30分間母と二人きりです。
私は施設内をきょろきょろしながら、母と会話をしていました。患者2人を同時に対応できる広さはありますが、換気音と暗く快適な場所ではありません。
やっとコロナ抗原マイナスと判定結果がでて、内科外来へ移動です。
なにしろ1年8ケ月間ぶりの母との面会です。妹も付き添い、母との会話を喜びました。母の熱発は私たちと会いたかったのでは?そんな機会を作ってくれたのでは?と熱発に感謝です。私の息子(孫)は、「もしかして最後の面会?」と思い診察を終え、施設の送迎車が迎えに来ていただく数分間面会をしました。
しかし、私はこの数分間をどの場所で、どう作るか?悩みました。施設では全く会えない現状から、病院の待合室なら会って良いのか?でも面会禁止とも張り紙もあるし・・・。
病院の玄関なら大丈夫では?とストレッチャーで玄関先に運びましたが、ここも発熱外来のすぐ側。マスクは皆がしているけど・・。面会しても良い場所は?病院の職員に聞くと叱られそうで聞けません。施設の職員にも家族が会っているところを見られても良いのか?内緒での行動です。神経を私一人が勝手に使っていました。
入院とならず、施設に戻った母は、数日間個室で観察となるのでしょうか?これも施設の職員に怖くて私は聞けませんでした。
でも、母に会えました。手を握ることも出来ました。3人で笑顔の写真も撮れました。
受診の機会を聞いていただいた施設の方にも感謝です。
コロナが収束するまで、頑張ってよ。ばあちゃん!