老人車を押すひとり歩きのおばあちゃんとの出会い

 はるうらら、のどかな真昼間。老人車を押すおばあちゃんにすれ違い「どこへ行かれますか」と聞くと「姉の所に行ったけど留守だった」とのこと。でも何か変。老人車は埃だらけ。洋服は冬装束。しかも破れた上着。気になりつつ青信号で渡ろうとするも、おばあちゃんが気になり振り向くと、全く横断歩道のない車量多い横の道路を渡ろうと前進格好。こんな大通りを渡ろうとする無鉄砲さ。あと数歩前に出れば大きな事故。

とっさにおばあちゃんを引き戻し、行きたい場所の再確認。ともかくこのままでは何をしたいのか?されるのか?不明。今はおばあちゃんの安全第一を優先に110番通報し、警察官に保護していただきました。無事自宅に戻られたと思います。

交通量は激しくても人通りが少ない場所では、声をかける人もいません。だから誰にも気づかれず数時間?ひとり旅をされていたと思います。お話は上手で、自宅住所、電話番号、家族の状況も話せる方でしたが、行動がついていません。私の母の場合は、行動はしっかりしたように見えても、逆に住所や電話番号等言えず、ひとり旅。

私の老後はどんなひとり旅をするのでしょうか?

ともかく、ひとりの老人の命と、交通事故に遭遇する人を作らなかったと自己満足し、私の判断は正しかったのか?と思うのですが、警察からは報告はありませんでした。

こんな一日も私が生きている証の日と思っています。   (記 福丸)